【勤務5ヶ月目】チャイニーズマッサージの警告
こんにちは。
香港のローカルマッサージサロンで週末セラピストをしているハナです。
修行場での心のよりどころだった、フルタイムセラピストのび男君が遂に退職してしまった前回。
それまで、のび男君がメインで担当していたチャイニーズマッサージを、店長が積極的に私に担当させるようになってきた頃の日記です。
入社後すぐに店長の右腕となったミギワ子さん。
ただ、チャイニーズマッサージは苦手なようで、更に日々親指の痛みにも悩まされているとのこと。
その為か、チャイニーズマッサージのオーダーがあると、店長はよく私に担当させるようになってきました。
もともと私の得意分野であるはずのチャイニーズマッサージ。
しかし、この頃チャイニーズマッサージの担当をするたびに、自分の技術不足にガッカリしていました。
オイルマッサージではなんとなく誤魔化せていたものの、チャイニーズマッサージではやっぱり自分の技術乏しく、腰部分がほぐせていない感満載。
ただ、肩の施術は比較的ほぐせることが多く、何とかお客様に笑顔でお帰りいただいていたのですが、やはり腰部分の施術は毎回不安に感じていました。
そんな悩みを抱えていた、ある多忙な土曜日。
最後のチャイニーズマッサージのお客様も無事にお見送りでき、ほっとしながら帰り支度を始めようとしていたところ。
店長
「ハナ。今チャイニーズマッサージ90分のお客さんが来たの。やってくれる?」
私
「(え。帰る時間なんだけどな。。。)わかりました。」
施術ルームの準備をして受付に向かった私の前に現れたのは、開襟シャツを着た大柄のネイティブマンダリン(北京語)スピーカー男性。
まずは施術ルームにご案内し、会話を試みてみたところ。
私
「どこかお疲れの箇所はありますか?」
お客様
「€π¢•¶√¶€π_°¢°|×っp???
(恐らく標準語(北京語)が話せないのか?と言っている)」
私
「ごめんなさい。北京語が話せなくて。(北京語風の発音で)
あ。簡単な英語なら話せますが。(どもりつつ英語で)」
お客様
「。。。。。。。」
と、最初から不穏な雰囲気のスタート。
「OK?」を繰り返し確認しつつ、肩部分はなんとか効かせてる感を覚えながら施術を進めていきました。
しかし。
苦手な腰部分の施術に入り、
「コ、コレは敵わない」と感じました。
大柄で厚みのあるお客様の身体。
ガッチリとバリアがはられたような背中の筋肉たち。
そして、もともと私にはかなり高い位置にある施術ベッド。
ベッドに両膝をついて高い位置から圧してみたり、アプローチ角度を変えてみたり、色々試してみましたが、全然敵わない。
施術中お客様の身体から「イライラ」が伝わり、伝われば伝わるほど焦りが募っていく。
脳裏に、突然お客様が起き上がって、物を投げつけてくる図が浮かぶ。
そして。
ついに、恐れていた事態が起こりました。
お客様
「¢•¶*_°¢°|×+#'"€π¢!!」
大きめな声で何かを言って、お客様は起き上がりました。
私が聞き取れたのは「不要」のみ。
施術の継続を拒否していることは間違いありませんでした。
私は、まずはお詫びし、すぐに受付に行き店長に助けを求めました。
私
「店長、お客様にうまく施術できなくて、怒らせてしまったみたいで。。」
店長
「わかった。すぐ行く。」
私
「申し訳ありません!!」
店長がお客様をなだめつつ、店長が施術を担当するからサービスを続けてもらうよう提案するも、結局90分のところを60分の施術でお帰りになってしまいました。
私
「店長、申し訳ありませんでした。(施術中に何が起こったか説明)」
店長
「あのお客さん、ちょっと難しいかなと思っていたの。
もう、気にしなくていい。ああいうお客はたまにいるから。
今度自分ではどうにもならないと感じたら、施術中でも私に声掛けて。」
こんな感じで店長から慰めてもらいましたが、どんなお客様であれ、自分の施術がしっかり出来ていれば、途中でお帰りになるようなことはないという事実を、重く受け止めていました。
翌日。
一晩寝ても脳裏に残っている、
お客様のイライラと自分の技術に対する自信の喪失。
「このままなんちゃってセラピストを続けていいのかな。」
チャイニーズマッサージでお客様に不快な思いをさせてしまったことで、今までなおざりにしていた課題を突きつけられた気分でした。
そして、施術中に感じた恐怖を忘れられないまま、「とにかく今は続けなきゃ」と心を奮い立たせて翌日も出勤したのでした。
続きは修行日記で綴っていきます♪
最後まで読んでいただき、
ありがとうございまっす